プラハは何で有名?地元在住者が選ぶ45のこと:ビール、プラハ城、天文時計、カフカからビロード革命まで(2026年)

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Discovering Pragueのアドリアナとマテイ

現地の専門家アドリアナ&マテイが執筆

アドリアナとマテイ・ハロウスコヴィは、人気ブログ Czech the World を運営するトラベルブロガーです。

マテイはプラハ生まれでずっとこの街に住んでおり、アドリアナは10年以上前にここに引っ越してきました。

60か国以上を旅してきましたが、いちばんよく知っている場所を挙げるなら、この街です。

Table of Contents

ヨーロッパの心臓部プラハは、息をのむ美しさ、厚みのある歴史、そして生き生きとした文化で、訪れる人を必ず驚かせてくれる街です。見事な建築と史跡で名高い街ですが、その表面の下にはもっとたくさんのものが眠っています。

この記事では、プラハをプラハたらしめている、ほかにはない側面を掘り下げます。地元に住む私たちが、よくある観光ルートの先にある視点と見どころを集めた、どこにもない記事に仕上げました。プラハは何で有名なのでしょうか。

これらの場所やその周辺のスポットは、当社の無料アプリの地図上に表示されています。 このガイドを参考にしてアプリを選び、歩きながらアプリを開いてください。

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1) ビール――国の宝

プラハのビール文化は歴史に深く根を張っていて、醸造の伝統は10世紀にさかのぼります。西暦993年創業のブジェヴノフ修道院醸造所をはじめ、世界でも指折りに古い醸造所がこの街にはあります。

パブとビアガーデンを味わわずしてプラハに来たとは言えません。地元の人にも旅行者にも、人が集まる場所になっているからです。人口あたりのパブの数は世界一。歴史ある酒場から今どきのクラフトビールバーまで、店の顔ぶれも実に多彩です。

ビール――国の宝

2) 美しい女性たち

チェコの女性は美しいとよく言われます。それはご自分の目で確かめてみてください。国内最大手の醸造所ですら、そう信じて疑わないようです。

チェコのビール広告――チェコ女性の美しさをネタにしたガンブリヌスのポスター

3) プラハ城――世界最大の城郭群

ギネス世界記録によれば、プラハ城は世界最大の城郭群です。その面積はなんと7万平方メートル。敷地内には国内最大の教会である聖ヴィート大聖堂のほか、いくつもの宮殿、宗教建築、付属の建物が並びます。これだけの建物群が11世紀にわたって少しずつ建て増しされ、様式もさまざま――10世紀のロマネスク様式から、王立庭園にある建築家エヴァ・イジチナーによる最新のハイテク・オランジェリーまでそろっています。

プラハ城――世界最大の城郭群

4)「ロボット」という言葉が生まれた街

チェコの首都プラハは、科学と技術の革新の拠点であるだけでなく、「ロボット」という言葉が生まれた場所でもあります。世界中の語彙にこの一語を加えたのは、名高いチェコの作家カレル・チャペック。1920年の戯曲『R.U.R.(ロッサム万能ロボット会社)』で初めて使いました。

プラハで初演されたこの戯曲は、技術と人間性、そして人工知能がもたらしうる結末を描いていて、チャペックはまさに時代を先取りした人でした。「ロボット」という語じたいは、強制労働や苦役を意味するチェコ語「ロボタ(robota)」から来ています。いまでは科学にも大衆文化にも欠かせない言葉となり、チェコ文学と思想が世界に与えた影響の大きさを物語っています。

「ロボット」という言葉が生まれた街

5)世界最古の、いまも動いている天文時計

旧市庁舎の壁面で存在感を放つのが、チェコ語でオルロイと呼ばれる天文時計。中世の技術の粋です。1410年に設置されたこの時計は、単に時を刻む装置というだけでなく、芸術としても科学としても傑作。毎正時になると使徒の行列をはじめとする動く彫刻が現れ、人だかりができます。

精巧な機構と細やかな細工でも知られています。毎正時の見せ場だけでなく、太陽や月、星座の位置といった天文情報も表示され、昔の宇宙観といまの宇宙観をつなぐ橋のような存在です。いまなおプラハでもっとも多くの人が訪れる見どころのひとつで、革新の精神と受け継がれてきた時間の両方を体現しています。

世界最古の、いまも動いている天文時計

6)オットー・ヴィフテルレ――コンタクトレンズを生んだ先駆者

プラハの観光名所とは直接つながりませんが、光学の分野におけるチェコの貢献――とりわけコンタクトレンズ技術の進歩――には触れておく価値があります。

プラハでのオットー・ヴィフテルレの研究は、ソフトコンタクトレンズ発明の土台を築きました。世界中の何百万という人の暮らしを変えた画期的な成果です。1960年代初頭に行われた先駆的な研究と実験からヒドロゲル製のコンタクトレンズが生まれ、当時主流だったハードレンズより快適で扱いやすい選択肢を人々に与えました。

いまではヴィフテルレは、プラハだけでなく世界中でソフトコンタクトレンズの父として讃えられています。その仕事は、この街が積み重ねてきた科学的な成果の歴史と、人の暮らしを大きく変える発明を育ててきた役割を、そのまま示しています。

オットー・ヴィフテルレ――コンタクトレンズを生んだ先駆者
See page for author, CC BY-SA 3.0 CZ, via Wikimedia Commons

7)「快楽の都」という異名

人口はわずか1,050万人(世界人口の約0.14%)にすぎないのに、チェコは成人向け映画の出演者数でアメリカとロシアに次ぐ世界第3位です。 実際、世界の成人向け映画俳優の12.88%がボヘミアとモラヴィアの出身なのだそうです。

「快楽の都」という異名

8)フランツ・カフカ――プラハが生んだ文学の天才

20世紀でもっとも影響力のある作家のひとりフランツ・カフカは、プラハでの体験から多くを汲み取り、それが作品のすみずみにしみ込んでいます。迷宮のような路地と謎めいた空気は、カフカの入り組んだ物語と実存的な主題にそのまま映し出されています。

街はカフカ博物館といくつもの像で、その足跡を大切にしています。ユダヤ人地区にあるヤロスラフ・ローナによる、はっとするほど幻想的な彫刻もそのひとつ。文学好きにとっては巡礼地のような場所で、カフカの人生と、故郷が作品に与えた深い影響が見えてきます。

フランツ・カフカ――プラハが生んだ文学の天才
回転するフランツ・カフカの頭部

9)「デフェネストレーション(窓外放出)」という言葉はプラハ生まれ

デフェネストレーションとは、人や物を窓から投げ落とす行為のこと。語源はラテン語で「窓」を意味する fenestra で、1618年の「プラハ窓外放出事件」のころに生まれた言葉です。この事件は三十年戦争の火種となりました。

このときプロテスタントの貴族たちが、カトリックの高官2名をプラハ城の窓から投げ落としました(2人とも20メートルの落下を生き延びています)。しかもそれは「由緒正しいボヘミア流」に則ったやり方でした。1419年にプラハの新市庁舎で起きた窓外放出事件になぞらえた言い方です。

「デフェネストレーション(窓外放出)」という言葉はプラハ生まれ
窓から投げ落とされた28人を表す28個の十字架。

10)クリスマスマーケット

プラハのクリスマスマーケットは、地元の人にも旅行者にも愛される恒例行事であるだけでなく、世界でもっとも美しいクリスマスマーケットのひとつとしてたびたび挙げられ、国際的にも高く評価されています。この時期の街は冬のおとぎの国に変わり、祝祭の高揚感、チェコの伝統文化、そして人を惹きつけてやまない空気が、ほかにない形で混ざり合います。

くわしくはこちら:プラハのクリスマスマーケット完全ガイド

クリスマスマーケット

11)人口あたりのパブの数が世界一

人口あたりのパブの数という点で、プラハは堂々の世界一。 その比率 は見事なものです。パブには厚みのある歴史と醸造の伝統がそのまま表れていて、歴史ある醸造所から流行のクラフトビールバーまで顔ぶれはさまざま。この多彩な世界を歩けば、土地の習慣にどっぷりひたり、ここにしかない味を楽しめます。のどをうるおすだけの場所ではなく、人が集まる社交の場でもあるのです。

人口あたりのパブの数が世界一

12) カレル橋(Karlův most)

カレル橋――チェコ語でカレルーフ・モストは、ゴシック建築の美しさが色あせないことの証のような存在です。14世紀にカレル4世が命じて架けられたこの橋はヴルタヴァ川をまたぎ、旧市街とマラー・ストラナ(小地区)を結んでいます。中世の技術の粋というべき造りで、30体の彫像と彫刻群に飾られ、訪れる人の目を奪います。

建築としての価値だけでなく、この橋は街の歴史と文化が途切れずに続いてきたことも表しています。度重なる洪水、戦争、歴史の激動に耐え、プラハが姿を変えていく様子を黙って見つめてきました。橋を歩いて渡ることは時間をさかのぼる旅そのもの。まわりにはプラハ城と、絵のような街のスカイラインが広がります。

カレル橋(Karlův most)

13)ダンシング・ハウス(Tančící dům)

ダンシング・ハウスは「ジンジャーとフレッド」の愛称でも知られる現代建築の傑作で、建築家ヴラド・ミルニッチとフランク・ゲーリーの設計。踊るふたりの姿を思わせる形をしています。

1996年の完成で、着想のもとになったのは名高いダンスコンビ、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース。歴史的な建物が並ぶ街並みのなかで、ひときわ目を引く存在です。館内にはギャラリー、オフィス、レストランがあり、街を一望できる屋上テラスまであります。住所はイラースコヴォ広場1981/6。

ダンシング・ハウス(Tančící dům)

14)世界一密度の高い鉄道網を持つ国の首都

プラハはチェコの首都であるだけでなく、世界でも指折りに密度の高い鉄道網の中心でもあります。この網の目のおかげで国内はもちろん近隣のヨーロッパ諸国へも楽に移動でき、中欧をめぐる旅行者にとってプラハは重要な玄関口になっています。

駅そのものも見どころで、歴史あるプラハ本駅(Praha hlavní nádraží)をはじめ、古い建物の趣と現代的な使いやすさが同居した建築の妙を楽しめます。

世界一密度の高い鉄道網を持つ国の首都

15)ジョン・レノンの壁――希望と反抗のキャンバス

レノンの壁は、平和と自由の変わらぬ象徴として、この街の歴史のなかで大きな意味を持っています。1980年以降、平和の擁護者として知られたジョン・レノンに触発された色鮮やかな落書きと歌詞で埋め尽くされ、国際的な注目を集めるようになりました。当局は何度もそれを消そうとしましたが、壁は逆に、激動のプラハで抑圧に抗い自由を求める心の象徴になっていったのです。

この壁がほかにないのは、つねに変わり続けているところ。新しいメッセージや作品がどんどん描き足されていきます。だからこそ生きた芸術であり、その時々の社会と政治の空気を記録した歴史資料でもあり、世代ごとの集合意識を映す鏡でもあるのです。

ジョン・レノンの壁――希望と反抗のキャンバス

16)電子顕微鏡技術で世界をリードする国の首都

チェコは世界最高水準の電子顕微鏡の開発と製造で名を知られています。世界の生産量の3分の1がこの国から出ているのです。こうした精密機器は材料科学、生物学、ナノテクノロジーの最先端研究に欠かせず、物質の構造を原子レベルで目に見える形にしてくれます。世界中の科学研究と医療研究を、この国が静かに支えているというわけです。

電子顕微鏡技術で世界をリードする国の首都

17) ヴィシェフラト――いにしえの君主の居城

ヴィシェフラトは、ヴルタヴァ川を見下ろす丘の上に築かれた古い城塞です。伝説によれば、ここがチェコの君主たちの最初の居城であり、チェコ建国の伝説的な祖であるリブシェ姫の居場所でもあったといいます。

いまは街の喧騒から離れて静かに過ごせる場所。緑豊かな庭園と見事な眺めがあり、聖ペテロ・パウロ教会や、名だたるチェコ人が多く眠るヴィシェフラト墓地といった重要な建築も残っています。

ヴィシェフラト――いにしえの君主の居城

18) しびれるようなプラハの夜遊び

日が沈むと、プラハは夜の街へと姿を変え、どんな好みにも応える遊び場がそろいます。こぢんまりとしたジャズクラブや昔ながらのビアホールから、地鳴りのようなナイトクラブ、洒落たカクテルバーまで。のんびり一杯やりたい人にも、朝まで踊りたい人にも居場所があります。

クラブシーンは音楽ジャンルのるつぼで、エレクトロニックやハウスからロック、ジャズまで何でもあります。ロキシー、クロス・クラブ、カルロヴィ・ラーズニェ(中欧最大のナイトクラブ)といった箱では地元と海外のDJが回し、街のまんなかで忘れられない夜を過ごせます。

しびれるようなプラハの夜遊び

19) カレル4世(Karel IV.)

チェコ語でカレル4世と呼ばれるこの王は、チェコ王であると同時に神聖ローマ皇帝でもあり、チェコ史でもっとも敬われている統治者のひとりとされています。14世紀の治世では文化と教育の大きな改革が進み、中欧初の大学であるカレル大学もこのとき創設されました。その構想と政策が、プラハをヨーロッパの主要都市へ育てる土台になったのです。

カレル4世(Karel IV.)

20)ヤン・アーモス・コメンスキー(コメニウス)――諸国民の教師

チェコ語でヤン・アーモス・コメンスキーと呼ばれるコメニウスは、チェコの哲学者・教育者・神学者で、しばしば「諸国民の教師」と讃えられます。革新的な教授法と、すべての人に教育をという主張によって、近代教育学の先駆者となりました。プラハは、彼が教育に残した功績と、世界中の教育制度に影響を与えた先進的な理念を、いまも大切にしています。

ヤン・アーモス・コメンスキー(コメニウス)――諸国民の教師
撮影日:2010-01-04

21) ユダヤ人地区(Židovská čtvrť)

ヨセフォフと呼ばれるユダヤ人地区はプラハの中心部にあり、ヨーロッパでもっとも重要なユダヤ史跡のひとつです。起源は13世紀にさかのぼり、歴史と文化と悲劇がモザイクのように重なっています。旧ユダヤ人墓地は、この種のものとしてはヨーロッパ最古の部類に入ります。

何世紀にもわたる苦難、そしてホロコーストという破壊を経てなお、この地区は人が耐え抜いてきたことと、記憶を守り続けてきたことの証として立っています。プラハのユダヤ人が歩んできた歴史を伝えるだけでなく、彼らがこの街の文化に与えた豊かな贈り物も讃える場所です。

ユダヤ人地区(Židovská čtvrť)

22) 世界で4番目に無神論者の割合が高い国の首都

チェコは世界でもっとも無神論的な国のひとつとしてよく挙げられ、人口のかなりの割合が無宗教だと答えます。World Population Reviewによれば、私たちは第4位だそうです。

なぜそうなったのか。いちばん大きかったのは共産主義体制(1948〜1989年)です。この時代、多くの聖職者が迫害され、でっち上げの裁判で殺されたり投獄されたりしました。宗教の実践を抑え込み、教会が社会に及ぼす影響力を削ごうという、より大きな動きの一部でした。その影響は深く、長く尾を引き、信仰の実践は衰えていったのです……。

世界で4番目に無神論者の割合が高い国の首都

23)旧市街広場

プラハの歴史的な中心である旧市街広場は、この街の建築の多彩さを一望できる見事な場所です。まわりにはゴシック、ルネサンス、バロック、ロココの建物が並び、広場そのものが生きた建築史の教科書。時間が止まったような場所で、一歩ごとに何世紀もの時をさかのぼる旅ができます。

旧市街広場

24)ダヴィド・チェルニーの彫刻――ひとくせあるプラハのアート

ダヴィド・チェルニーの彫刻はプラハのあちこちに点在していて、歴史的な街並みに現代からの合いの手を入れています。社会や政治、文化への挑発的で、しばしばユーモラスな批評で知られ、その作品は見る人に考えさせ、語らせ、ときにはただその大胆さと発想に見入らせます。

動くフランツ・カフカの像から、ジシュコフ・テレビ塔をよじ登る赤ちゃんたちまで。チェルニー作品を探して歩くのは、この街をめぐるちょっと変わった楽しみ方になります。

ダヴィド・チェルニーの彫刻――ひとくせあるプラハのアート

25)パーテルノステル(循環式エレベーター)

パーテルノステルとは、プラハの一部の公共建築に残る昔ながらの、止まらずに動き続けるエレベーターのこと。過去をのぞく懐かしい窓のような存在です。数も少なく、見ているだけで面白い装置で、前世紀の機械技術に興味がある人にはたまりません。せわしない現代の街のなかで、時間の流れから取り残されたような感覚を味わえます。

実用性はすっかり薄れましたが、いまも残るものは文化財として守られていて、その趣と風変わりな乗り心地で愛されています。多様な遺産を守ろうとするこの街の姿勢――革新と、伝統への深い敬意とのつり合い――を象徴する存在でもあります。

26)聖ヴィート大聖堂――ゴシックの傑作

プラハ城の敷地内に建つ聖ヴィート大聖堂は、チェコで最大かつもっとも重要な教会です。ゴシック建築の傑作であるこの聖堂は祈りの場であるだけでなく、守護聖人や君主、大司教たちが眠る場所でもあり、チェコという国の精神的な象徴になっています。

建設には6世紀以上がかかり、その結果としてゴシック、ルネサンス、バロックの要素が息をのむ形で溶け合いました。ステンドグラス――とりわけミュシャの手による一枚――や、礼拝堂と塔の細やかな造作からは、チェコの人々が芸術と信仰に注いできた力が伝わってきます。

聖ヴィート大聖堂――ゴシックの傑作

27)シグナル・フェスティバル――アートと光と技術の融合

シグナル・フェスティバルは毎年、プラハを光のアートと最新技術の野外ギャラリーに変えてしまいます。世界中からアーティストが集まり、街の建物と広場をキャンバスにして、圧巻の光のインスタレーション、参加型の展示、没入体験を繰り広げます。

街を美しく彩るだけでなく、現代アートに人々が関わるきっかけをつくり、一般の人と前衛芸術のあいだの距離を縮めてくれる催しでもあります。

シグナル・フェスティバル――アートと光と技術の融合
プラハで人気のシグナル・フェスティバル

28)ペトシーンの丘と展望塔

特徴的な展望塔をいただくペトシーンの丘は、にぎやかな街路から離れて静かに過ごせる場所です。ペトシーン展望塔は1891年の記念博覧会に合わせ、エッフェル塔を自由に模して建てられました(本家パリの塔の5分の1の縮尺です)。高さは58.7メートル、頂上までは299段。丘の高さと合わせると、てっぺんは本物のエッフェル塔とちょうど同じ標高になります。

丘とその一帯は緑豊かな庭園、曲がりくねった小道、ロマンチックな場所であふれていて、この街における憩いと恋の象徴になっています。

ペトシーンの丘と展望塔

29)プラハの春 国際音楽祭

プラハの春 国際音楽祭は世界でもっとも格式の高いクラシック音楽の催しのひとつで、一流の演奏家、指揮者、オーケストラが集まります。毎年5月に開かれ、伝統的なクラシックの名曲から現代の作品まで、内容の濃いプログラムが組まれます。

始まりは1946年。いまではプラハの文化暦の目玉となり、この街が積み上げてきた音楽の伝統を受け継ぎ、クラシック音楽の世界的な中心地としての地位を確かなものにしています。文化交流の場であり、クラシック音楽が持つ色あせない魅力を伝える舞台でもあります。

30)ティコ・ブラーエ――プラハの星

デンマークの天文学者ティコ・ブラーエは、プラハで過ごした時期に天文学へ大きな貢献を残しました。皇帝ルドルフ2世に招かれ、生涯最後の数年をこの街で過ごし、もっとも重要な観測のいくつかをここで行ったのです。プラハでの仕事はその後の天文学的発見の土台となり、ルネサンス期のこの街が科学探究の中心地だったことを物語っています。

ティコ・ブラーエ――プラハの星

31)国民劇場――粘り強さと結束の証

プラハの国民劇場は壮麗なネオ・ルネサンス様式の建物で、チェコという国のアイデンティティと文化遺産の象徴です。オペラ、バレエ、演劇と幅広い演目を上演し、芸術を守り育ててきたこの国の姿勢がそのまま形になっています。

とりわけ1881年の壊滅的な火災から立ち直った物語のおかげで、チェコ人の粘り強さと誇りを象徴する建物になりました。痛ましい出来事でしたが、それがかえって国じゅうの支援を呼び起こし、見事な結束を生んだのです。

チェコ各地の市民が再建の費用を出し合い、劇場の再建は「Národ sobě」(「国民が自らのために」)という標語そのままに進みました。劇場はすばやく建て直され、1883年に再開場。文化遺産を守り讃えようというチェコの人々の意志が、そこに表れています。

ストラホフ修道院と図書館:世界でも指折りに美しい図書館を持つ、由緒ある修道院です。

国民劇場――粘り強さと結束の証

32)ヴルタヴァ川のクルーズ

最近すっかり旅行者に人気の楽しみ方です。ヴルタヴァ川のクルーズなら、プラハの歴史的な建築と美しい景色を、ほかにはない角度から眺められます。穏やかな川面をすべりながら、プラハ城、カレル橋、国民劇場といった主要な名所を絵のように見渡せます。

地元の人間としておすすめしたいのは足こぎボート。スロヴァンスキー島(Slovanský ostrov)で借りられます。

ヴルタヴァ川のクルーズ

33)黄金の小路――色鮮やかな歴史ののぞき窓

色とりどりの壁で知られる黄金の小路は、プラハ城の敷地内にひっそりと並ぶ、かわいらしい古い家並みです。もとは16世紀に城の衛兵の住まいとして建てられ、のちには芸術家や職人が暮らすようになりました。いまは過去を伝える絵のような一角で、一軒一軒がそれぞれの物語を持っています。

歩いてみれば、かつての住人たちの日々の暮らしがのぞけます。いくつかの家は当時の姿を細かく再現して修復されています。

黄金の小路――色鮮やかな歴史ののぞき窓

34)ボヘミアのガラス作り――受け継がれる職人技と美意識

チェコ、とりわけボヘミア地方はガラス作りの伝統で世界的に知られています。何世紀も続くこの手仕事は、質の高さ、新しい試み、そして芸術表現で高く評価されてきました。精緻なクリスタル製品から、色鮮やかなアートガラスまで幅広くそろいます。

プラハではガラス工房やスタジオの見学ツアーがあり、この厚みのある伝統に触れられます。一つひとつの作品に注がれる技術と発想を、その目で確かめてみてください。

ボヘミアのガラス作り――受け継がれる職人技と美意識

35)チェコのマリオネット――操り人形の魔法

人形劇はチェコ文化のなかで特別な位置を占めていて、その伝統は何世紀にもわたり、素朴な民衆芸能から洗練された舞台作品までを含みます。なかでもチェコのマリオネットは名高く、細やかな作り込みと、この国の語りの伝統を体現する存在として知られています。

プラハには伝統的なチェコのマリオネットを専門に扱う店や工房がたくさんあり、歴史上の人物から空想上の生き物まで顔ぶれはさまざま。これらは単なるおもちゃではなく、チェコの文化遺産の核をたずさえた芸術作品です。その愛らしさと精巧さは、子どもも大人も惹きつけます。

チェコのマリオネット――操り人形の魔法

36)アルフォンス・ミュシャ――アール・ヌーヴォーの巨匠

ミュシャが美術の世界に残したものは、その生涯と仕事に捧げられたプラハのミュシャ美術館で今に伝えられています。絵画、写真、木炭画、パステル画、リトグラフ、そして愛用の品まで、幅広い収蔵品がそろう美術館です。ミュシャがたどった道のりをひととおり見渡すことができ、視覚文化に与えた大きな影響がよくわかります。

アルフォンス・ミュシャ――アール・ヌーヴォーの巨匠

37)プラハにはビールスパがある

チェコ人のビール好きは筋金入りですが、ビールのスパまであるのはご存じでしょうか。多くの場合、施術中はビールが飲み放題――しかもそれだけではありません。ビールスパでは、鉱泉水にホップ、麦芽、酵母というビールの主原料を混ぜた温かい湯船につかります。この温浴で毛穴が開き、血のめぐりがよくなり、筋肉がほぐれるといわれています。

プラハにはビールスパがある

38)プラハ動物園――種の保存の灯台

プラハ動物園は動物を見る場所というだけではありません。世界的に評価された保全の拠点であり、世界の優れた動物園のひとつに数えられています。希少種や絶滅危惧種を数多く飼育し、野生動物を守る国際的な取り組みで重要な役割を果たしています。保全、教育、研究への真剣な姿勢もあって、自然好きにも家族連れにも外せない場所です。

美しいトロヤ地区にあり、さまざまな生息環境を歩きながら世界中の動物に出会えます。よく考えられた展示場と広々とした敷地は、動物にとっては自然に近い環境を、訪れる人にとっては楽しい時間を用意してくれます。

プラハ動物園――種の保存の灯台

39)ビロード革命――自由への道

ビロード革命はチェコ史の分水嶺です。1989年、共産主義政権から民主制へ、権力が暴力なしに移りました。市民が自由と民主主義を求めて集まったプラハの各所には、この激動の時期を伝える場所が残されています。

あのときの出来事はプラハとチェコに長く残るものを与え、非暴力の抗議が持つ力と、人の心の強さを象徴しています。ヴァーツラフ広場やナーロドニー通りといった革命ゆかりの場所は、単なる史跡ではなく、人に力を与え、考えさせる場所でもあります。

ビロード革命――自由への道
ヴァーツラフ広場――ビロード革命の象徴

40)火薬塔――ゴシックの門

かつて13あった市門のひとつで、地元ではプラシュナー・ブラーナ(Prašná brána)と呼ばれ、旧市街と新市街の境目に立っています。15世紀に築かれたこのゴシック様式の塔は、のちに火薬庫として使われたことからこの名がつきました。いまは目を引く建築的な目印で、上まで登ればプラハの古さと新しさが溶け合う街並みを一望できます。 

火薬塔――ゴシックの門

41)チェコクリスタル

チェコクリスタルは、その品質、美しさ、そして精緻な職人技で世界的に知られています。チェコのガラス作りの伝統は何世紀もさかのぼり、いまやチェコクリスタルはガラス工芸の卓越さそのものを指す言葉になりました。手の込んだシャンデリアから繊細なグラス類まで、その芸術的な価値と作りのよさを求める人が世界中にいます。

チェコクリスタル

42) ティーン聖母教会

堂々たるゴシックの尖塔を持つティーン聖母教会は、旧市街広場でもっとも見覚えのある建物のひとつです。空を切り取るその姿、暗く沈んだたたずまい、細やかな装飾のファサードが世界中から人を呼び寄せ、プラハの歴史的な風景の主役になっています。

内部では、豪奢なゴシックとバロックの装飾を眺められます。名高い天文学者ティコ・ブラーエの墓もここにあり、この教会がプラハの過去にも現在にも欠かせない存在であることを、あらためて感じさせてくれます。

ティーン聖母教会

43)ルドルフィヌム

ルドルフィヌムは建築の傑作であると同時に、プラハの文化を担う施設でもあります。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地で、見事なネオ・ルネサンス様式のデザインとすぐれた音響により、世界でも屈指のクラシック音楽の殿堂とされています。

音楽だけでなく、美術展や文化行事の会場にもなっていて、耳の芸術と目の芸術の両方を讃える懐の深い場所です。堂々たるホールと優美な内装が、洗練された空気と文化的な豊かさを生み、地元の人にも旅行者にも響きます。

ルドルフィヌム

44)クレメンティヌム

クレメンティヌムは、世界でもっとも美しい図書館のひとつとしてよく挙げられるバロック様式の図書館で有名です。凝った木彫、フレスコ画で飾られた天井、歴史ある地球儀の並ぶ大広間に入ると、時代がひと息にさかのぼります。2万冊を超える蔵書は、イエズス会とチェコが積み重ねてきた知の歴史の証です。

図書館だけではありません。敷地内にはプラハを一望できる天文塔があります。さらに、バロック芸術の傑作である見事な「鏡の礼拝堂」も。細やかな漆喰装飾、空間の広がりを増幅する鏡、そしてかつてモーツァルト自身が弾いたオルガンが残されています。

クレメンティヌム

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